イトデンワ。
彼と出会ったのは、
高校3年生の時。
木の枝に、
引っ掛かったバトミントンのハネを取ろうとしていた小学生達。
その様子を見てた私は、
手伝ったけど…取れない。
ジャージのズボンを履き、
木に登った。
慣れない木登り。
枝の分かれ目まで辿り着くと、
小学生から長い棒を受け取り、
ハネを落としたのは良かったものの…降りれない。
『お姉さん、ありがとう。大丈夫?』
『大丈夫だよ。早く、帰らないと…お母さんに、怒られちゃうよ。』
『うん。ありがとう。』
お辞儀して、
小学生は家路。
降りれない私。
その時、
現れたのが…彼。
両手を差し伸べ、
微笑んだ。
片方の手を触れた瞬間、
飛び降りてた私。