イトデンワ。
『木から降りれない私の姿を見た時?』
『違う。俺が、両手を差し伸べた時に…戸惑う姿に、惚れたんだよ。目を閉じ、飛び降りて…俺が、受け止め支えた。その勢いで、倒れちゃったけど…高校生に、惚れるとは思わなかった。』
『後悔してる?』
『惚れた事?』
頷く私。
『後悔なんて…してないよ。』
『今も、そうだけど…高校生の私は、その…見た目が…』
『あのさ!俺…あの頃、高校生であるお前と交際していた事は…周りの者達には、話してなかったんだ。言っとくけどな!お前が、一番気にしている事が理由じゃないから。』
透かさず、
腰に手を回す彼。
『でも、一緒に歩いてる現場を見られて…色々と聞かれたけど、答えなかったよ。邪魔されなくなかった。お前を…取られたくなかった。』
『取られるなんて…ないよ。』
『お前は、自分自身の事…何も、分かってないんだな。だから…お前を…』