イトデンワ。
『勿論、覚えてるよ。海に、行ったよね?』
『あぁ〜その帰り、レストランに寄ったよな!?その時、何があったか!?覚えてる?』
『レストランで?』
脳裏に浮かぶ。
一緒に、
楽しく食事した事は覚えてる。
けど…
レストランで、
何が起きたのか!?は覚えていない。
『覚えてない。』
『覚えてないかぁ〜「覚えてない。」ではなく、「思い出したくない。」じゃないのか!?』
『えっ!?』
『あの日の事は、俺にとってもお前にとっても…最悪な日だったからな!お前が、覚えてないなら…思い出させない方がいいかもしれない。話を変えよう。』
『お…教えて!』
『教えてやっても良いけど…』
『お願い。』
じーっと、
見つめる私。
『そんなに、見つめないでくれないかな?キスしたくなる。』
『えっ!?』
顔を伏せる姿を見て、
微笑む彼。
観覧車は、
時間を掛け…ゆっくりと。