イトデンワ。
ソファから立ち上がり、
カードキーをテーブルの上に置くと…
ドアの方に歩み寄る。
彼の後ろ姿。
『ま…待って!』
彼の方に歩み寄っても、
振り向こうとはしてくれない。
『元カノの…あの綺麗な女性の所には、行かないで!わ…私が、出るから…今日は、一緒に…観覧車に乗れて、凄く嬉しかった。あなたと愛し合う事が出来て…本当に…ありがとう。』
彼の後ろ姿。
背中を見つめると涙腺が緩み、
涙が…
横を通り過ぎ、
ドアノブを握り、
ドアを開けようとしたその時、
手でドアを閉める彼。
『返答して貰ってなかった俺からの問いに…答えてくれお前にとって、俺は…何俺は、そんなに頼りなかったか』
彼の顔を見る事が出来ない。
涙が溢れ、
頬に…
『わ…私にとって、あなたは…大切な…大切な人だよ。私の…事を、優しく包んでくれ…愛してくれる大切な人。世界一の…愛する人。私には…勿体ない人。私には…』
頬から流れ落ちた涙が、
床に…
一粒…二粒…三粒…四粒…
止まらない。
後ろから、
突然!!
抱きしめる彼。
突然の出来事で、
驚く私。