先生アイシテル
宮崎が一番好きな瞬間だ。


ドアにかけた右手が嬉しくて震える。



「ふー… 」


宮崎は大きく伸びをして 眩しいほどに晴れ渡った青空を仰いでみる。



やっと息を吸える…

「しかしよく晴れてるなぁ…。」



6月も半ばだというのに、雨が降った日は片手で数えるほどしか覚えがない。


宮崎はいつもの場所に疲れきった腰を下ろす。



ここで一服でもできたら最高というところだが、最近はここも禁煙敷地内となってしまったのでそれもできない。



はぁ…


声にならないため息を一つつくと


時間もないので宮崎は のそのそと妻の手作り弁当を開く。
< 3 / 13 >

この作品をシェア

pagetop