Shining Days
つい一週間前の4月5日、私、吉田千晶は光南高校の1年生になった。
家から2駅、そこから自転車で15分のこの高校は地元で1番の進学校だ。
そのせいか地元から通う子が多く、私や佐知子のような電車で通学する子はあまりいなかった。
その上独自入試である事が災いしたのか光南高校は敬遠されがちで、私が通っていた中学からは、佐知子と私の2人しか受験をしなかった。
そのため、新しいクラスでは周りのみんなは顔見知りが多いようで、「久しぶり!」なんて言いながらわいわいと楽しそうに喋っているなか、私は必死に自分と同じような境遇の子はいないかと、近くに座っている女の子や出席番号が近い子に声をかけていた。
そんなこんなでなんとか友達は出来たが、佐知子とは中学の部活も同じ吹奏楽部でよく一緒にいたので、クラスが離れてしまった今もこうして登下校を共にしている。
「…とかはどう?」
突然耳に入ってきた声に思わず「わっ!」と声をあげてしまった。
「ちーちゃん、聞いてた?」
「あは、ごめん!ぼーっとしてた。」
ごめん、ごめん。と笑いながら謝り、
「で、なんだっけ?」
と佐知子の方を見ると、佐知子は先ほど見ていた部活動紹介の冊子の運動部のページを開いていた。
運動部って…この子のどこにそんなやる気が?
なんて思っていると、目の前に冊子がドアップで映り込んできてそれと同時に佐知子の声が、今まさにひらひらと舞い散っている桜の花びらと共に落ちてきた。
「マネさんとかはどう?」