芽吹く前に

相手はつかみながらもケンタの体、顔を殴る。
しかし、ケンタも相手を離さない。

ケンタは親父に殴られ慣れているので、少しの事では音を上げない。
つかみ合って相手も息が切れたのか動きが鈍くなり始めた。
その時ケンタは自分より大きい相手を投げ飛ばしたのである。

シュッ、ダッ相手は地面に叩きつけられ、すぐさまケンタが馬乗りになり相手の顔面へパンチを繰り出す。

バチィッ、バチィッ

もうこうなったら相手はされるがままである。

「お前、謝るかぁっ!?」

ケンタが相手に負けを認めさせようと言う。

「ごめんなさい・・・」

ケンタが数発殴ると、相手は謝った。
そして、ケンタが立ち上がると同時に猛ダッシュで逃げ始めた。

ケンタの服はつかみ合いの時に破けていた。
ケンタはその自分のシャツが破れているのに気づき逃げる相手を睨みつけた。

「あいつ、マジで・・・」

ケンタの相手になった奴が逃げたのを見て、周りにいた手下も一目散に逃げ出していた。
大将は足が速く、もう見えなかったが、手下の姿は見えたので、ケンタはすぐにその逃げ遅れた奴を捕まえようと追いかけた。

逃げ遅れた奴を1キロほど追いかけて、捕まえた。

「ハァッ、ハァッ、お前ふざけるなよ・・・」
ケンタはまだ怒りを抑えきれていなかった。

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