甘い蜜に誘われて

～鈴音大樹～


｢......というわけだからさ。頼むよ!暫くの間、木更津七緒をお前の手伝い係として、生徒会においてくれ!｣

......面倒い。

木更津七緒って、あの学校一の馬鹿って言われている奴だろ?

手伝い係って、アイツ絶対にまともに仕事出来るわけないじゃん。

なんか、反対に俺の仕事が増えそう......

でも俺は、必死に作り笑顔を見せて

｢良いですよ。他の生徒会役員の方が用事があり、最近は僕一人だったので、手伝ってくれる方が出来て、僕も助かりますから。｣


......よし。完璧だ。

だが、早坂先生はニヤッと笑って

｢用事があって来られないんじゃなくて、お前が追い出したんだろ?｣

......!?

｢アッハハハ!せっかくの作り笑顔が崩れているぞ!でも、頼れる生徒会長様は大変だなぁ。嫌な事でも、笑顔で引き受けないといけないもんなぁ。｣


コイツ......

俺の本性に気付いていたのか。

ただの馬鹿な体育教師だと思っていたが......

油断したな。