「FLY」 ~海を翔る~

NO.2

あの、雪だるまの日からヨシくんは優しかった。

コレと言って、何処かに行ったりした訳じゃ無かったけど、

カラオケに行ったり、2人で色んな話をする時間があった。

今なら、今まで言えなかった事・・・

それが聞けるかも知れない。

なるべく彼の機嫌を損ねない様な言い回しを考えた。

ゆっくり深呼吸をして聞いた。

「ねぇ?ちょっと質問してもいい?」

「おぉーかまへんで」

「あのさ・・・」

喉で言葉が詰まる。。。

そんな簡単に聞けない・・

「なんなん?どないしてん??」

「あのね・・宏美の事・・どぉ思ってる?」

「はぁ~?何言うてんねん」

「・・・・・・・・。」

「殴った事か?」

私は、頷いた。

何て、返事が来るのか・・・殴られるのか・・

「俺も、何で殴ってまうんか分からんねん。。ごめんな」

いつもと同じ答え。

いつもそぉだった・・

散々、殴った後は嘘の様に優しくなる。

「そっか・・」

私は、一言だけ返した。

その後も、ヨシくんはキレる事は無かった。

こんな日がずっと続きます様に・・・・
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