「FLY」 ~海を翔る~

~運命~

ヨシくんが、またキレる日常が始まって、新しい年を迎えた。

まだまだ寒い日が続く。

人の表情を伺いながら接する事しか出来なくなった。

もちろん、昔からの友達にはそんな事は無い。

だけど、束縛の厳しかった彼の機嫌を損ねない様に過ごしてた私は、次第に誰とも遊ばなくなった。

携帯もプリペイド式を買い、2つ持った時期がある。

常用してる携帯は、ヨシくんのチェックが入る・・

友達との連絡がバレるので、内緒で1台持っていた。


なんで、そんなにコソコソしなくちゃいけないのか・・


そんな風に思いながらの毎日だった。

相変わらず、1人で海に行く事は多かった。

広大な自然を目の前にすると、話し掛ける癖は続いていた。



    人を想う事の大切さ


それを、死をもってして気付かせてくれた2人。

この2人に恥じない生き方・・・



  私には、出来てますか?


「出来て無いよね・・・」

そぉ呟いて海を後にした。




それから、しばらくして身体の不調が目立つ様になった。

微熱が続く。

タバコの臭いに耐えられない。

車に酔った様な感覚。


間違いない・・・妊娠してた。
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