「FLY」 ~海を翔る~

運命 ~春~

昼間の気温が次第に暖かくなって、春が来た。

私は、両親に妊娠の事実を伝えた。

  
   また、パパの悲しそうな目を見なくちゃいけないんだ・・・


そぉ思いながらも、「子供が出来た」そぉ伝えた。


「またか・・・」

そぉ呟いたパパ。

「今度は、産もうと思う。向こうの両親にも話はしてあるから。」

そぉ伝えた。

「お前・・まだ高校生なんやぞ。どないするんや!」

パパが怒るのは当然だった。

そのまま、話し合いは出来ずに家を出た。

そぉ向かったのは、いつもの海。

まだまだ寒かった・・

お腹を冷やさない様に、温かい格好をして出掛けた。

電車とタクシーを乗り継いで着いた海。


  ねぇ?

  そっちも暖かくなってきた?

  ひろみね・・赤ちゃんが出来たの。

  今度は幸せになれるかなぁ・・?


そんな風に問いかけた。


海の上を自由に羽ばたく鳥が見えた。
< 110 / 144 >

この作品をシェア

pagetop