「FLY」 ~海を翔る~

NO.2

それからの毎日は、家に居ても会話も無い。

自分の居場所は、部屋だけだった。

家に居ても、玄関から部屋の往復かお風呂場やトイレへの往復くらい。

皆が居るリビングには、中々行けなかった。


それから数日後。

ヨシくんが挨拶をしに来た。

パパの顔は恐い。

ヨシくんは、切り出した。

「ひろみと結婚させて下さい。」

しばらく黙ってパパが言った・・

「お前なぁ・・宏美はまだ高校生や。どないするつもりや?」

・・・なんて答えるんだろう?

そぉ思ってた。

その瞬間だった・・・

立ち上がったヨシくんは、怒鳴った。

「そんなんわかっとるわい!!!」

えっ?

ヨシくんがキレた。

パパも立ち上がる・・

怒鳴りあいになった。。

あまりの事に言葉も失った自分が居た。

ママも驚いてる・・・

「警察呼べ」

暴れそうなヨシくんを横目にパパが言った。

私は、彼に失望した。

その時、自然に口から出た言葉・・

「ひろみ・・1人で産みます。」

みんなが言葉を失った。。

しばらくの沈黙の後、パパが言った。

「もぉ知らん。お前も出て行け。勝手にしろ。」


ヨシくんは、無言で家を出て行った。
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