「FLY」 ~海を翔る~

No.3

私は、部屋に戻った・・

「出て行け・・・」

高校生だった自分に何が出来るんだろう・・

やっと現実の厳しさに気付いた。

高校生で妊婦・・・

実家を放り出されて何が出来る?

お金も無ければ、実家を出た事も無い・・

社会を知らない。

全く想像も付かない事態に押し寄せる不安は、とてつもなく大きかった。

そのまま夜は来た。


着信   ヨシくん


「はい・・・」

「俺。お前さーどぉするつもり?」

「・・・・・。」

「出て行くの?」

「ってか・・・何でキレたの?」

「あんなん言われて黙ってられるかいや!!」

電話口で、物が壊れる音がした。

「今から出て来い。」

電話が切れた。


  あぁ・・怒らしちゃった。。

そんな風に思いながら家を出た。

私は、赤ちゃんを守る事しか頭に無かった。

私は殴られようが何しようが構わない。

赤ちゃんだけは・・・・

もぉ、殺しちゃいけない。

そぉ決めて彼に会った。
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