「FLY」 ~海を翔る~

NO.9

「お前、なんで知ってんねん・・」

ヨシくんの声が震えていた。

「あんた、携帯折って証拠隠滅のつもり?」

「そんな事しても無駄やで。残念やけど全部聞いてるから。」

「なんやったら、ココに呼ぼうか~?あんたの彼女さん。」

一気にまくし立てた後、携帯の明細をヨシくんの前に投げた。

ヨシくんは、明細を手に唖然としていた。

「あんた、あたしにあんだけ男関係うるさく言うた癖に、自分はなんやねんな~」

「自分がやってたら、世話無いわなぁ~」

その瞬間、近くにあったリモコンが吹っ飛んだ。

ヨシくんは、私の首をつかんで押し倒した。

私の首を力いっぱい締め出した・・

殺されると思った私は、ヨシくんの首を力いっぱい掴み返した。


負ける訳にはいかない!!


腕の血管が浮く位に首を絞めた。

ヨシくんの手が首から離れた。

その瞬間、近くのドアのガラスを殴った。


ガッシャーーーーン


ガラスが割れる音の後に、ボトボトボト・・・・って音が聞こえた。

ヨシくんの右手から、蛇口をひねった水道の様に血が流れていた・・


呼吸が上手く出来なかったけど、

「あたしと、お腹の子供2人を裏切った。」

「あたしは、あんたの何なん・・?」

そぉ言って、指輪を外しテーブルに叩き置いた。

私は、そのまま家を出た。

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