「FLY」 ~海を翔る~

NO.10

家を出た私は、あても無くトボトボと歩いてた。

家を出たって行く所なんて無いのに・・

歩きながら色々考えてた。

絞められた首が、凄く痛む。

ヨシくんの携帯代が異常に高いのも、出会い系サイトにアクセスしてたから・・

あの、小娘と電話してたから・・

おこずかいが足りないのも、ガソリン代が足りないのも、

家に帰って来るのが夜中なのも、あの女物の香水の匂いがしたのも・・

全部のつじつまが合う。

近所の公園に着いた。


    ねぇ??

    あたしって、一体なんなのかな・・?


久し振りに星空に話しかけた。

大きくなったお腹をさすりながら、話しかけた。

お腹を蹴る赤ちゃん。

我慢してた涙が止まらなかった。


しばらくして、走って迎えに来たヨシくん。。

右手には、タオルが巻かれていた。

私は、彼の存在を無視して歩き出した。

「ひろみ・・ごめんって・・」

息が切れてる。

無視して歩く宏美の腕を掴みながら付いて来る。

「何処いくねんって!身体冷えるから・・とりあえず家帰ろうって!」


「ごめんで済まへんねん。もぉ無理やって・・」

そぉ言って、私は歩いた。

興奮したからだろうか・・お腹が痛くなった。

うずくまった私は、ヨシくんに抱えられて家に戻る事になった。

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