「FLY」 ~海を翔る~

NO.1

実家に帰ったのが夕方。。

いつもなら洗濯物を取り入れて、夕食の準備を始めてた時間だ。

でも、今日からは違う。

時計の針は、PM6:30・・・

そろそろヨシくんが帰って来る時間。

電源を切ったままの携帯・・

私は、電源を入れた。

このまま逃げる訳にも行かなかった。


案の定、携帯の電源を入れた瞬間、センターで止まっていたメールが来た。

受信メール数・・・58件。

全部、ヨシくんからだった。


   なんで帰ってこないねん。
  
   早く帰ってこい

   本気で殺すぞ

   俺をナメてんのか


そんな言葉が並んでいた。

それから数分後、電話が掛かってきた。


着信   ヨシくん


「・・・・はい。」

「お前、俺を本気で怒らしたな」

「何で怒ってんのか分からないんだけど」

私は、冷静に言い返した。

「お前、家の荷物が無いやんけ。なんでや」

「見ての通り。もぉやってけない。」

「お前の家は、ここちゃうんかぃ!」

怒鳴ってる・・何かが壊れる音もしてる・・

また暴れてるんだな・・

「ひろみ、実家に帰ったから・・もぉ戻らないから」

しばらくの沈黙の後・・

「おまえ・・今すぐ出て来い。殺してやるからな。」

そんな彼の言葉を無視して、こぉ言った。

「あんた話にならんから、冷静になったら電話してきて」

そのまま電話を切った。
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