「FLY」 ~海を翔る~
その心地よさを遮ったのは、機械のアラーム音だった。



ピーーーピーーーピーーー


明らかに、怪しい音。

看護婦さんや医者がドカドカと入ってきた。

私は、邪魔だと部屋を追い出された。

追い出された私を、ナオのお母さんが見付けた。

「宏美ちゃん!いらっしゃい!」

強引に腕をつかまれて、病室に連れて行かれた。

病室に入った時には、看護婦も医者も静かに立っていた。

「23時15分 ご臨終です」

遠くのほうで、そんな言葉が聞こえた。
< 19 / 144 >

この作品をシェア

pagetop