「FLY」 ~海を翔る~
繋がった。

「もしもし?」

「宏美だけど・・何してるの?」

「俺?いま帰ってきた」

時計の針は、夜中の1時。

「何してたん?」

「別に。遊びに行ってたわ」

・・・・怪しかった。

それでも、冷静に話をした。

「あのさ・・ちょっと耳にしたんだけど、女の人と居たの?」

「・・・・・・。」

返事が無い。

予感は的中した。

「あぁ・・中学の同級生の女。最近、俺等上手くいってへんやん?寂しかったから相手して貰ってん」

その言葉がすぐには理解出来なかった。

「ど・・・どぉゆう事?」

手も声も震えてた。

「どーゆう事って?そぉゆう事。すまんなぁー」

軽い言い方。

許せなかった。

「分かった。もぉ、その人に相手して貰って・・・」

淡々と言った自分に驚いた。
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