「FLY」 ~海を翔る~

NO.3

それから、喧嘩の耐えない日々だった。

それでも、ヨシくんを信じていた。

バイト帰り・・見慣れた車。

ヨシくんだ・・・

コンビニの前に居た。

1人かな?

・・・・違う

助手席に女。

見覚えのあるシルエット。


ユキ。。。


心臓の鼓動が早くなった。

どぉして??

連絡先も知らないハズなのに・・・

手の震えが止まらなかった・・・

気付いた時には、車の助手席を開けていた。

ユキは、何も喋らない。

ヨシくんは、ばつが悪そうに下を向いている。

ユキを引きずり降ろした。

胸ぐらを掴んで、こぶしを振り上げた・・

さすがに友達は殴れなかった・・・振り上げた手を下ろしてユキを振り投げた。

そのまま、その場を立ち去ろうとした。

「なにもしてないからーー」

ユキが後ろで叫んでた。

歩きながら悔しくて悲しくて涙が出た。

ヨシくんは、追いかけて来ない。。



追いかけてきてよ・・・


そんな風に、少しの希望を抱いてた。


私は、どこまでも馬鹿だ・・


追いかけてくるハズも無い・・・

車を開けた時に分かってた。

シンナーの匂いが充満してた。

ユキは何も無いと言った・・・

そんな訳が無いのも分かってた。

女の感が酷く働いた。。
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