*最低小悪魔日記*
「なんかさ~抱きしめて良いかな?」

突然の話であたしはびっくりしていて口までぽかんとあけていた

「いや、無理ってかだめだから」

笑いながら言ったが、あたしなりに精一杯
弱みだ利用だなんて言っていられなくなった
しかもふと、思ったそんな事をいっていたから罰があたったのだなんて

こういうときにヒーローはいてほしい
でも偶然があるわけない

あたしが言っている言葉を耳にも入れてくれず、追っかけてくる
それほど抱きしめたいのなら、抱き枕でも買ってほしいなんて今は笑って言えるが、正直あの時はそんなことさえ思う余裕もなかった

狭いこの空間で将人から逃げ回って5分
あたしも疲れてきた

もうだめだ

なんて思ってたら、ドアが開いた

入ってきたのは龍也だった

龍也は倉庫から荷物をとりにきた途中で、来た瞬間に「下が込んできたから、手伝って」と声をかけてきた

はぁい、とその場で返事をすると龍也は荷物を持ってすぐに出て行った

あたしは準備もできていたから手伝いに行こうと思ったら、将人が不機嫌な声で「行くの?」と言った
「いくよ。忙しいみたいだし。だから一緒に行こうよ?」
「えー・・・」

あたしが将人を誘っていると、またドアが開いた
「歩さんやっぱり来てほしい」
龍也がまたあたしたちの会話をさえぎるタイミングで入ってきた

あたしは「わかった」と言って龍也と一緒に下に降りた

「なんで?タイミング良すぎじゃない?あたしさっきまで追いかけられてたんだよ・・抱きしめていいかって聞かれて・・本当に助かった有難う」
「なんとなく怪しいって思ったから、来てみたらやっぱり危なかった。行ってみてよかったよ」

なんていって龍也は心配してくれた

そして、ハグしてくれた
あたしの周りにはヒーローがいた


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