秘密
部員達が少しずつ分かれて帰っていく中で
私は彼を見失わないようにメガネをかけた

理由は2つ
まず、正体をバラさないため
もう一つはただ単に視力が悪いだけだ

同じ格好をしている男子を見分けるのは至難の業
しかも、彼は髪を無造作に伸ばしているため区別がつきづらいのだ

でも、そこは私
ちゃんと遠くからでもわかる“癖”を見つけてある


それは・・・『カバンの掛け方』だ


普段はしっかり左に斜め掛けしている彼も
疲れてくるとそうはいかないらしく不思議な掛け方をする

その掛け方は彼しかしない
だからとても簡単に見分けることができる
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