私こそ光る☆君 ~番外編~
遥ver.
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ピクッ……。
「ううっ……」
目覚めるとそこは一面絵の具をぶちまけたように彩られた、おどろおどろしい世界でした。
(俺は確か勇者っぽいやつに掴みかかって、それでいきなり怒った奴が呪文を唱えて……)
氷づく前、何があったか思い出したダンジョンのボス(仮)は、未だ腕や足、頭にまとわりつく氷の呪縛から脱け出そうと身をよじります。
ピキッ。
ベチョッ。
ややあって、氷に亀裂が入り解放されました。
ですが……。
「今の嫌な音は何だ?
ベチョッって……。
それにこの頭のネバつく感じは……?」
氷づけにされながらも、長時間同じ姿勢(非常口の人のポーズ)でいることを強いられ、プルプルと震える手で恐る恐る髪に触れます。
ヌチャッ。
ベタつく何かを指先に感じ、手を目の前にかざしました。
「……これはシロップ、なのか?」
ベタベタする感覚、そして胸焼けを起こしそうなほど甘い匂い。
間違いなくそれがシロップであると確信したダンジョンのボス(仮)は激怒します。