私こそ光る☆君 ~番外編~
それから約1時間後。
父さんが行ってしまったことでずっと拗ねていた奏は泣き疲れたのか、ウトウトし始めた。
泣きたいのはこっちだ。
そう思いながらも、坂上さんを呼んで布団を持ってきてもらう。
「雅様も少し休まれてはいかがですか?」
坂上さんにそう言われて、自分も奏の隣に横になる。
むずかる奏の相手をしていて、疲れたのだ。
しかし、眠れない。
確かに疲れているのに、今日はなぜか目が冴える。
いつものお昼寝タイムはぐっすりなのに。
暇を持て余した目は自然と隣の奏へ向けられる。
奏はこちらを向いて、軽く両手を握って眠っていた。
こうして眠っていれば、ちょっとは可愛いのに……。
なんて思いながら見つめていると、ふいに観察対象の目がぱちりと開いた。
キョトンと目をまん丸にしたと思うと、今度は口を開く。
「……にぃに?」
瞬間、僕の頭に衝撃が走った。
……何、この可愛い生き物!?
こうして俺は無自覚・天然な天使に堕とされたのだった。
おしまい☆