私こそ光る☆君 ~番外編~


「みんな~、上手に書けたかな~?」


平仮名の勉強の時間。

先生の声が遠くに聞こえる。


退屈だ。

奏が隣にいない時間はひどく退屈だ。


平仮名なんて、今さら習わなくても書ける。

3歳の頃にはすでに平仮名・カタカナともに習得していた。

今は漢字と九九を独学で勉強中。

それもこれも全部、奏に教えてあげるため。


先生の目を盗んでプリントの端に落書きをする。



俺以外の大半の園児にとっても退屈であろうお勉強の時間が終わって、やっと自由時間を与えられた。


自由時間。

行くのはもちろん園庭の砂場なんかじゃなく、奏のもと。


「雅くん、また来たの?」


先生に呆れ顔で言われるが、気にしない。


「かなえちゃん、いっしょにおえかきしよ?」


「いい『ダメだ!!』


奏に近寄ってくる園児(それも男!!)の前に両手を広げて立ちはだかる。


俺の妹ははっきり言って可愛い。

めちゃくちゃ可愛い。

そんな奏を狙う輩はたくさんいる。

だからこうしてお兄ちゃんが守ってやらなくては。



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