私こそ光る☆君 ~番外編~
「うわ~ん!!

ボクの、ソフト、くりーむ……ひっく☆」


一難去ってまた一難。

どうしたものかと考え込んでいると、スッと奏が俺の手を離し、泣いている男の子に近寄る。

そして……。



「これ、あげる」


右手を突き出した。

その手には、さっき俺があげたキャンディーが。


「ふぇっ。

くれるの?☆」


どうやら男の子はビックリして泣き止んだらしい。


奏が頷くと、男の子ぱぁ~っと顔を輝かせて笑った。


「ありがとう!!☆」


男の子は手を振って去っていく。


その背中を見送った後、奏はギュウッと小さな手で俺の左手を握った。


その目にはうっすらと、さっきとは違う意味の涙を滲ませていたけれど、俺はそれには気づかないふりをした。




☆おしまい☆



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