私こそ光る☆君 ~番外編~
色々考えすぎた結果、私は何の回避行動も取れなかった。

迫り来る野菜たち。


野菜をこれほどにまで恐ろしく感じたことはない。


ふいに、視界の端で動くものがあった。


こちらに近づいてくる二つの影と足音。

清龍と由依だ。

二人はそれぞれの手に形の異なる銀色の物体を持っていた。

銀色の物体、すなわち包丁とボウル。


いったい何を……!?


そう思った時、清龍の持つ包丁が煌めいた。


風切り音をさせながら振るわれる包丁と、音も無く崩れていく野菜たち。

それらは吸い込まれるように、由依の持つボウルの中に納まった。

ほんの数秒の出来事だった。



「ふぅ~っ、完璧☆」


驚き過ぎて口をポカンと開けたままの私に、ボウル片手にVサインを送ってくる由依。



『すごい……』


それしか言えなかった。


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