私こそ光る☆君 ~番外編~


「遥、フライパン」


こちらを見ることも無く発された声。

決して大きな声ではない。

けれどその声の影響力は凄まじかった。


ぴくんっと震えて、それまで頭ごなしに由依を怒鳴りつけていた遥が、文句ひとつ言わずにフライパンの方へと向き直った。


「由依、食べ物で遊んじゃダメだよ?」


「ごめんなさい……☆」


しゅんとうなだれる由依。


“いつも食べ物で遊んでいるのは紫水だ!!”とは、誰も言うことができなかった。



紫水は刻み終えた食材と圧力鍋を持ってコンロの前に移動してきた。


「由依、ボウルの中身をこの鍋の中に入れて」


先ほど清龍が切った野菜と角切りの牛肉が入った鍋を火にかけ、今度はフライパンを使って調理を始めた。


ハッ!!

そういえば、私も仕事しなくちゃ!!

進行のお仕事!!


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