私こそ光る☆君 ~番外編~
皆の注目が集まる中、清龍は無言で頷いた、


やっぱり清龍でもダメだったのか、“アレ”……。

液体と固形物の違い?

気合で味覚までカバーし得るところはさすがだと思うけど……。


あれは言語を絶するマズさだった。

ひとくち口に含んだ瞬間、皆一様に押し黙ってしまったのだ。


幸か不幸か、観客には“あまりの美味しさに言葉を忘れてしまった”と誤解されたらしい。



「見た目がすごく美味しそうなだけに、残念だよね☆」


由依の言葉に力無く首肯する私たちを見て、紫水はクスリと笑みを零しながら言い放った。


「料理は芸術(アート)だからね」


この言葉には皆、苦笑いするしかなかった。


革命的……いや、破壊的芸術だ。



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