私こそ光る☆君 ~番外編~
「なら全員で料理の腕比べっていうのはどうかな?」
ああだ、こうだと口論を繰り返すうちに紫水がそんなことを言い出した。
紫水の提案には乗らないのがベスト。
そう信じて疑わない私だったが、売られたケンカを買わずにはいられない、そんな無駄に高いプライドを持つ者がこの場にはいた。
「いいだろう。
やってやろうじゃん」
遥だ。
「もし遥、君が僕に買ったなら、僕は自分が作った料理を二度と君に食べさせない。
これでいいかな?」
いつもと寸分違わぬ笑みを称える紫水は余程自信があるのだろう。
「ねえ、ハルちゃん。
やめようよ~?☆」
不安全開の表情で由依が止めるのにも耳を貸さず、
「お前が勝ったら?」
と、遥は挑戦的な目で紫水に問う。
「僕が勝ったら、その勝負で僕が作ったものを君が全部食べる」
「その勝負、受けた」
不敵に笑う遥だった。
『私パス……』
「じゃあ、みんなで行こうか?」
巻き込まれたくない一心で逃げ出そうとするも、笑顔でごり押ししてくる紫水に、もはや為す術もなかった。