私こそ光る☆君 ~番外編~
「それは心配には及ばないよ。

使用後に毎回、室内の消毒を行っているし、器具の衛生管理も徹底しているから」


断言する紫水に少しだけ皆の表情が緩んだ。


紫水が“徹底している”と言ったなら、それは文字通りこの部屋が厳正な管理下に置かれているということだろう。

紫水は何事にもこだわりを持って行動する人だから。


「ねぇねぇ、しーちゃん?

判定は誰がやるの?☆」


遥に続いて質問したのは由依だった。


来る前は乗り気じゃなかったみたいなのに、腹をくくってやる気になったのかな?


なんて考えながら少し低い位置に落としていた視線をもとに戻すと、珍しく押し黙る紫水がいた。

軽く握った右手を口元に添え、目を伏せて思索にふける。


そんな様子がちょっとカッコイイなんて思ってしまったことは絶対に内緒!!


時間にすると1分にも満たないだろう。

しかし、紫水にしては長すぎるくらいの沈黙が流れ、ようやく彼は考えを言の葉にのせた。



< 169 / 291 >

この作品をシェア

pagetop