私こそ光る☆君 ~番外編~


『う~ん……』


食材の置かれたテーブルの前で考え込む。


何を作ろう?


正直に告白すると、今この瞬間まで全く考えていなかった。

この部屋のこととか、ナイサンのことを考えていて、重要なところに頭が回っていなかった。

そんなさっきまでの自分を呪いたい。


『由依は何を作るの?』


参考までにと、隣に立つ由依に声をかけてみた。


「ぅん?

えっとね、まだ秘密~☆」


小麦粉とゼラチンを手にとってニコッと微笑む由依は大変可愛らしい。


けれどこれでは参考にならないじゃないかと落胆した私は唇を尖らせてしまった。


まあ、由依のことだからお菓子作るんだろうけど……。



『お肉とお魚、どっち……』


肉料理にすべきか、魚料理にすべきか一人悶々と悩み、頭を抱えて無意識に呟いた言葉に静かにつっこむ者がいた。



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