私こそ光る☆君 ~番外編~
「奏らしく」


『……えっ?』


身構えてはいた。

身構えてはいたけど、警戒していた方向とはまったく別の方向から切りかかられたようなこの感覚は何!?


紫水に次いで考えの読めない男・清龍。


私の聞き返す声が聞こえていなかったはずもないのに、言うだけ言うとさっさと自分の調理台に戻ってしまった。



“奏らしく”


一人取り残され、立ち尽くした私の頭を先ほどの清龍の言葉。


考えるうちに一つの可能性が見えてきた。

すなわち。


ひょっとしてこれはアドバイス……?


テーブルの上に並ぶのはどれも高級そうな食材ばかり。

知らず知らずのうちに私はそれらに尻込みしていたのかもしれない。


うちの家もそれなりに一般家庭からズレたところがあるけど、食に関してはあんまり贅沢してなかったからなぁ……。


そこに深い意味はない。

お父さんの味覚が庶民嗜好だから、お父さん大好きなお母さんがそう取り計らった。

ただそれだけ。



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