私こそ光る☆君 ~番外編~


『ふぅ~……』


集中してしまえば時間が経つのは早いものだ。


粗方調理が終わり、あとは火にかけたものが煮えるのを待つだけという状態になり、やっと少し気を抜くことができた。


みんなはどうしてるかな?


どんなものを作っているのか気になり、辺りを見回す。


紫水は相変わらず華麗な手つきでフランベをしている模様。


遥は眉間に縦じわを刻んで、お玉片手に煮込み中の鍋に調味量を投入している。


なんだかさっきから味見しては首を傾げて色々入れてるけど大丈夫かな?


清龍は同じく火にかけている鍋の前にいるけど、ヌボーッと立ってるだけだから何をしているのかわからない。

ここからだと背中しか見えないし……。


由依は……。


「甘~くなぁれ、甘~くなぁれっ☆」


と唱えながら、ボウルの中身をかき混ぜていた。


うん、とっても可愛いけどね。

ボウルの中身がそこらじゅうに飛び散っちゃってるよ……。

そして脇に置いてある、車のタイヤのような大きさと形をした狐色のアレはいったい……?


気になるけど、今は見なかったことにしよう。


珍妙な光景に激しく興味を掻き立てられながらも、再び鍋に視線を落とすのだった。



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