私こそ光る☆君 ~番外編~
「お前!!」


「勝負を持ちかけた時点で君の味覚はすでに異常を来していた。

それに気づけなかった君の落ち度だよ」


顔を真っ赤にして怒る遥にも取り合わない紫水。


「……じゃあ何で清龍はまともな味付けができたんだよ?」


食いしばった歯の間から零れる声には悔しさが滲んでいる。


「それはセイが味見をしていないからだろうね」


流すようにして寄越された視線に清龍が頷く。


「良かったぁ~。

僕も味見してないんだ☆」


『……ごめん、僕も』


心底安堵した様子で由依が言うのに続いて、私も控えめにカミングアウトする。


「……ぐっ」


気の毒だけど、そんなに食いしばったら歯が欠けるよ?


「時間を無駄にしてしまったね。

早くしないと料理が冷めてしまう。

次は光」


遥は容赦なく切り捨てられてしまった。


一応理屈の通った発言だからこそ、腹が立つんだろうね……。



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