私こそ光る☆君 ~番外編~
桃山家、家庭訪問
ある暑い日の昼下がりのこと。
私たちはある家の前に立っていた。
ピーンポーン。
「ハ~ル~ちゃんっ?☆」
――そう、ここは遥の自宅前。
ガチャッ。
「お前ら人の家の前でデカイ声出すな!!
それからハルちゃん言うな!!」
慌てて出てくるなり、早口でまくし立てたのはもちろん遥。
いそいそと家の中に招き入れられたかと思うと、早速女の人に出くわした。
「あらあら、皆さんお揃いで。
いらっしゃい」
その人は玄関先に立って、愛想の良い笑顔で出迎えてくれる。
誰、この人?
「お久しぶりです」
そう言って紫水は優雅にお辞儀する。
“久しぶり”ってことは、紫水は以前にもこの人に会ったことがあるのか。
「母さん、出てこなくていいっつっただろ?
つーか、出てくんな!!」
苛立った様子で髪をかき回しながら、遥はその人に話しかけた。
んんんっ?
……“母さん”
ってことは……。