私こそ光る☆君 ~番外編~


「……いってっ!!」


結論から言おう。


遥のラクガキ大作戦は未遂に終わった。


遥が身を乗り出した直後、清龍がむくりと起き上がったのだ。


なぜ、急に起きたのか理由を問えば、


「殺気、感じた……」


だそうな。


やっぱり、清龍ってよくわからない……。


憐れ、遥は清龍の頭で打って赤くなった顎を呻きながらさすっていた。



「何してんの、兄貴?」


また別の声が割り込んできた。


「兄貴の声、家の外まで聞こえてたんだけど?」


声のした方をみやれば、部屋の入り口に立つ見知らぬ少年と目が合う。


「アンタ、誰?」


思っていたことを先に言われた

いきなり登場した少年を見て、“わ~、きれいな子!!”とか思っていたら、出遅れたのだ。


にしても、兄貴?

兄貴って、誰が?


少年は、考え込むばかりでいつまでたっても答えない私と、顎の痛さで未だ少年の登場に反応できないでいる遥を交互に見比べる。

次に少年の口から出てきたのは、とんでもない発言だった。



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