私こそ光る☆君 ~番外編~
印
それは冬休みのある日のこと。
『う~ん』
「どうしたの、光?」
『はぎゃっ!!』
事務所でのダンスレッスンが終わった後、一人更衣室で唸っていると、突然背後から声をかけられた。
『なっ、なんだ、紫水か~』
後ろを振り向き、声の主の姿を確認して胸を撫で下ろした。
私はまたてっきりお化けかと……。
「何、僕じゃ不満なの?」
『べっ、別にそんなことはない……と思うけど』
なんか紫水、機嫌悪い?
他愛もない質問も紫水に問い詰められると、思わずたじろいでしまう。
だって、眉間にシワが寄ってるんだもん!!
いつも笑っている美人の怒った顔は想像以上に怖い。
いや、紫水は男の子だし、笑ってても怖い時あるけどさ。
「ふ~ん」
『ごめんね、ちょっと考え事に夢中になってたから、びっくりしちゃっただけだよ』
未だ不機嫌な紫水に慌てて弁解すると、やっとほんの少し表情が和らいだ。
良かった~。