私こそ光る☆君 ~番外編~
「よく来たね」
「「「「ようこそいらっしゃいました」」」」
翌朝。
満面の笑みを浮かべる紫水と斎賀邸のメイドさんたちに出迎えられている自分がいた。
回れ右しそうになる衝動を足を踏ん張ることでなんとか抑える。
来たくなかった。
本当は来たくなかったよ?
でもね、自分で来なかったら絶対に家までお迎えが来て、半強制的に連行されると思うから……。
さっきから、メイドさんの視線が痛い。
表面上は笑顔で歓迎してくれたけどね……。
目が一切笑ってらっしゃいませんから!!
さすが紫水の家のメイドさん。
ウチの坂上さんも神出鬼没なところがあるけどさ……。
「さあ、行こうか?」
そう言って紫水は当然のように背中に手を回してくる。
だから付き合ってるふりするのやめて~!!
心の中で絶叫するも、やっぱり言えない。
背後でゆっくりと音もなく閉まっていくドアに一度だけ未練のこもったまなざしを向けた後、紫水の部屋に向かった。