私こそ光る☆君 ~番外編~



「今日はいつもより素直だね。

いい子、いい子」


ソファーにどっかりと腰を下ろしてそう言う紫水は絶対悪い子だと思う。


『だって逆らっても無駄でしょ?』


ものすごく不本意だけど、ああするしかなかった。


「うん、おまけに賢い」


よしよし、なんて頭を撫でられても全然嬉しくない!!


『さっきだって、私が玄関先から動かなかったら何か言うつもりだったでしょ?』


あれは獲物を狙う目だったと詰め寄れば紫水は、


「そうだね。

“えっ、ここまで来るのに歩き疲れてもう一歩も動けないって?

仕方ないね、僕は君をとても大切に思っているから、僕が君を運んであげるよ”

くらいは言わなくちゃいけなかったかな?」


と、あっさり白状してくれた。


『そんなこと言わなくていいから!!』


きっとその言葉の真意は、“さっさと来い、来ないなら拉致するぞ”だ。


ぶるぶると身震いしてから気持ちを切り替えた。



< 203 / 291 >

この作品をシェア

pagetop