私こそ光る☆君 ~番外編~
「今日はいつもより素直だね。
いい子、いい子」
ソファーにどっかりと腰を下ろしてそう言う紫水は絶対悪い子だと思う。
『だって逆らっても無駄でしょ?』
ものすごく不本意だけど、ああするしかなかった。
「うん、おまけに賢い」
よしよし、なんて頭を撫でられても全然嬉しくない!!
『さっきだって、私が玄関先から動かなかったら何か言うつもりだったでしょ?』
あれは獲物を狙う目だったと詰め寄れば紫水は、
「そうだね。
“えっ、ここまで来るのに歩き疲れてもう一歩も動けないって?
仕方ないね、僕は君をとても大切に思っているから、僕が君を運んであげるよ”
くらいは言わなくちゃいけなかったかな?」
と、あっさり白状してくれた。
『そんなこと言わなくていいから!!』
きっとその言葉の真意は、“さっさと来い、来ないなら拉致するぞ”だ。
ぶるぶると身震いしてから気持ちを切り替えた。