私こそ光る☆君 ~番外編~
「……チッ、何かな?」


今、頭の後ろから邪魔しやがって的な舌打ちが微かに聞こえたのは気のせいだよね?


紫水の問いかけに、佐伯さんは非常に言いにくそうに答える。


「はっ、あの、差し出がましいようですがその……。

紫水様自らそのようなことをなさらずとも、社のエステ部門の人間をお呼びになれば宜しいかと……」


最後はゴニョゴニョと。


佐伯さんが言い終えた時、ふっと紫水が気だるげに洩らした吐息がうなじを撫でた。


『ヒャッ!!//』


あまりのくすぐったさに身をすくめる。


突然のその行為に抗議しようと首を巡らしたが、まっすぐ佐伯さんを見つめる紫水に何も言えなくなってしまった。


「これは僕の意思でやってることだから。

口出ししないでくれるかな?」


顔には微笑が浮かんでいる。

しかし、その瞳に宿る光は鋭い。


そんな紫水の視線をまともに食らった佐伯さんは、


「た、大変申し訳ございませんでした!!

私はこの辺で失礼させていただきます」


と言うなり紫水にその手の中のものを押し付けるように渡すと、挨拶もそこそこに退出していった。



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