私こそ光る☆君 ~番外編~
手を取られたまま、ボーッと顔を赤らめているとかなりの時間が経過してしまっていたらしい。


「できた」


『……うあ、えっ?//』


紫水の一言でビクッと身体を揺らして我に返る。


ヤバイ、見とれてた!!//


「自分でも上手くいったと思うな」


『えっ、あ……っ』


ネイルアートのことなど頭からすっかり吹き飛んでいた私は、紫水の言葉に慌てて自分の手元へと視線を落とした。


紫水が自分でも上々と言ったネイルアートは……?



『えええぇぇぇ~っ!?

何これーっ!?』


見た瞬間に叫んでしまった。


うん、上手いと思う。

思うけどね……。


左手の小指から右手の小指に向かって、

“斎賀紫水様LOVEvV”

と記されていた。


『ちょっ……!!

何なの、紫水様LOVEハートって!?』


「何って、印?」


しれっと答える姿を見てやられたと思った。



『除光液、除光液は!?』


「さあ?」


とぼける紫水はやっぱり王子様やナイトなんかじゃない。

魔王様だ。


結局、爪に記された文字は家に帰るまで落とすことを許されなかったのだった。



おしまい☆



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