私こそ光る☆君 ~番外編~
「俺様は別に何でも……よくねえ!!

その映画だけはやめろ!!」


お伺いを立てた私に対して遥が遣した返事はおかしなものだった。


何なの、何でもよくないって?

しかもあの映画だけはダメって……。


ろくに見もせず適当に頷こうとして、途中で何かに気づいたみたいな感じだった。

目の色が変わってたもん。


『……どうして?』


疑惑の目を向ければ、


「そっ、そんなもん、つまらねぇからに決まってんだろ。

恋愛映画なんて俺様の趣味じゃねぇんだよ」


と、早口で捲くし立てた。


『怪しい……』


もっともらしい理由だけど、どもってた。

しかも急に早口になったし。


スッ。


「お、おい!!」


遥の制止の声も構わず、ガラスケースに近づいていく。

そして、そのポスターを上から下まで穴が開くほど見つめた。


「……チッ」


苛立った様子で遥が自分の額に手をやったのと、私が本当の理由を見つけたのが同時だった。



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