私こそ光る☆君 ~番外編~
「しーちゃんワガママッ!!☆」

「何とでも」

「……帰りたい」


あははは、素敵にバラバラだ。

そういえば遥は……。


呆れ半分に前方から目を離し、隣の人物へと意識を向けた。

途端……。


グググッ。


『いたたたたっ!!』


繋いでいた手を強く握り締められて悲鳴を上げた。


何、何なの!?


「あいつら……!!」


頭上から降ってきた声に寒気を感じ、ピクリと震えて姿勢を正す。


怒ってる。

めちゃくちゃ怒ってるよ、遥!!


いつもなら怒鳴り散らして発散される、遥の怒り。

でもここは一般の人が多いから……。


そんなことをしたら、すぐに週刊誌のネタにされてしまうだろう。

しかも喧嘩と熱愛の両方!!


迂闊だった。

ただでさえ待つの嫌いなのに、目の前であんなことして時間取られたら、遥がイラつくのは当たり前。

早急に遥の注意を逸らさないと!!



< 224 / 291 >

この作品をシェア

pagetop