私こそ光る☆君 ~番外編~


『Kの19、Kの20……あった!!

遥、ここみたいだよ?』


「ああ」



やっとのことでポップコーンと飲み物を買え、場内に入ることができた。

指定の席に腰掛け、ほっと息をつく。

スクリーンに流れるCMをぼんやりと眺めながら先ほどのことに思いをはせた。


よかった、気まずい雰囲気が続かなくて。

後になってすぐに大胆なことしちゃったなって思い始めて……。

遥も何も言わないし、困ってたところにちょうど注文の順番が回ってきて自然に会話できたから。


容器に山盛りに入れられたポップコーンを手に取り、頬張る。


うん、美味しい。



「お前のって、シーソルト味だっけ?」


ニマニマと微笑みながら食べていると、遥にたずねられた。


『うん、そうだけど?』


遥はバター醤油味、私はシーソルト味。

カップルで大きいサイズのを買って一緒に食べるっていうのもよくあるけど、別々のものを買った。

チケット買う時もそうだけど、自分で買おうとしたら遥がさっさとお金払っちゃったんだけどね。



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