私こそ光る☆君 ~番外編~
『……うっ、ヒック、ぐすん……』
「あ~……」
映画観終わりました。
エンドロールまで。
だけどね、詐欺じゃない?
アクションコメディーと見せかけて、最後主人公が死んじゃうなんて……。
隣で遥が困ってるから早く泣き止まなくちゃいけないのに、涙がなかなか止まらない。
流れる涙を誤魔化そうと目をこする。
だけどそれでも涙は止まらなくて。
「奏」
乱暴に拭おうとしたら、名前を呼んで止められた。
光じゃなくて、奏。
遥からそう呼ばれるのは初めてで。
『……!?//』
戸惑っていると遥の顔が近づいて来て、瞼に羽のようなキスを落とされた。
離れた遥の口元が私の涙で濡れている。
「お前は俺様のもの。
だから、お前の涙をどうするかも俺様の勝手だ//」
『ブフッ……』
目を丸くして遥を見ていたら、変なことを言われて思わず噴き出してしまった。
だってね、カッコつけてるのに棒読みなんだもん!!
一緒にいるといっぱいドキドキして。
自然に笑えて。
『幸せだなぁ……』
本当にそう思うよ?