私こそ光る☆君 ~番外編~
「うまい」


ドキッ。


口の中のものを飲み込んでから、咲き誇るような笑顔で告げられ、胸が高鳴る。


わわわっ!!

どうしよう?

遥ってあんまりあんな風に笑わないから……。


「どうした?」


あーんをする時にも増して落ち着きを失くした私を見ながら、遥はグラスの水を飲む。

そんな動作さえ、かっこよく見えてしまって……。


ヤバイ!!

本当にマズイ!!

何か違う話題!!


『なっ、何でもないよ?

そんなことよりさ、あ、あれってどんななの?//』


わ~、頭も口も回らない!!

あれって何!?


「何だよ、あれって?」


当然のごとく遥にもつっこまれる。


わ~、どうしよう!!


恐ろしく回転の鈍くなった頭を頑張って稼動させ、ひらめいたのは……。


『え~っと……あれ!!

遥が主演の映画!!』


「…………」



あ、れ?

もしかして、触れちゃいけない話題だった?


質問に答えられてほっとしたのもつかの間、考え込むように下を向いて押し黙ってしまった遥を見て、不安になる。



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