私こそ光る☆君 ~番外編~
それからお爺さんのいる山に向かって歩くこと5分。
「やいやいやい!!」
急に二人の前に立ちふさがる者がいました。
「俺様は……」
「遥くんだよね、自称・ガキ大将の」
相手が名乗ろうとしたところを紫水は遮って先に言います。
それを聞いて、
「お、おう……。
俺様の名は遥で間違いない。
しかし!!
“自称”ってのは余計だ!!」
と、いったんは頷くものの、声を荒げるガキ大将(?)の遥。
「僕は何も間違ったことは言ってないよ。
君、誰に断ってガキ大将を名乗ってるの?」
「そ、それは……!!」
「そんなもの、僕は認めないよ」
口ごもる遥に紫水は無表情できっぱりと宣言します。
5分前の笑みはどこにいったのでしょうか?
「き、貴様!!」
一気に険悪になっていく雰囲気。
口では敵わないと見た遥は力で対抗しようとします。
「やめて!!」
見かねて飛び出した奏は、今にも紫水に殴りかかろうと振り上げられた遥の腕に抱きつきました。