私こそ光る☆君 ~番外編~
「えっと……どこに行くつもりだったの?☆」


「……山?」


「どうして?☆」


「……何となく」


「なんで道に迷ったの?☆」


「……ノリで?」


そこまで聞いて、お団子屋さんで奏たちが知り合った少年・由依はとても悲しそうな顔をしました。


ノリでわざわざ道に迷う人がいったいこの世に何人いるというのでしょうか?



「送ってあげよう、家まで」


「うん、そうだね」


「仕方ねぇな」


「心配しなくていいからね?☆」


「……頼む」



初めて全員の心がひとつになった瞬間でした。



総勢5人になった一行。

迷子の青年・清龍を家まで送り届け、奏たちが再び山の麓まで辿り着いた頃にはとっぷりと日が暮れていたと、後にお爺さんは語ったそうです。



おしまい☆


< 243 / 291 >

この作品をシェア

pagetop