私こそ光る☆君 ~番外編~


一方その頃。


「白雪姫ったら、いったいどこで油を売っているのだろうね?」


水汲みに行ったきりなかなか戻ってこない白雪姫に苛立つお妃様。


(私の可愛い白雪姫ちゃん、早く戻ってきなさい)


実はお妃様、白雪姫にぞっこんラブなのでした。


普段の嫌がらせは愛情の裏返し。

お妃様は好きな子ほどイジメたくなる性格なのです。


「まあいい。

そんなことより!!

鏡よ鏡よ、鏡さん、世界で一番美しいのはだぁれ?」


ナルシストなお妃様は鏡に問いかけます。

もちろん、“一番美しいのはお妃様です”という答えを期待して。


しかし、その期待はものの見事に裏切られることとなります。


「お妃様は美しい。

だが、白雪姫はもっと美しい!!」


曲がったことが大嫌いな鏡の精。

これを聞いたお妃様は激怒しました。


「黙りなよ。

じゃないとお前を叩き割ってしまうよ?」


鏡を脅したお妃様は続いて家来を呼びつけ、こう命令します。


「白雪姫を森へ連れて行って、殺してしまえ」


たとえ白雪姫であろうと、自分より美しい人間がいるのは許せない。

そして、白雪姫が自分のものにならないのならば、いっそ……。


お妃様の笑顔の下に隠された深い想いが黒い炎のように燃え上がった瞬間でした。


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