私こそ光る☆君 ~番外編~
『ああっ、ごめんっ!!

これの存在すっかり忘れてた』


そう言ってお粥入りの土鍋を近くに引き寄せたテーブルの上に置く。


土鍋に手を伸ばし、蓋を開けた遥。

開けたとたんに立ち昇った湯気をしばらく見つめてから言った。


「見た目は普通だけど……、これ食えんの?」


“食えんの?”って……。


『失礼な!!

ちゃんと食べられるに決まってるでしょ!!』


こう見えても料理は得意なんだからっ!!


「ハハッ、冗談だよ。

頂きます」


遥は一人でプリプリ怒っている私を見て軽く笑った後、レンゲを手に取った。


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